【Tips】NovaBackupでバックアップ方式を6年間増分で取っていて苦労した話

BuffaloのテラステーションにはNovaBackup
というバックアップソフトが付属していますが、
6年間ずっと増分で取り続けて全体の復元に苦労。
この復元に自動化ツールで完全に復元した話です。

【Tips】NovaBackupでバックアップ方式を6年間増分で取っていて苦労した話
目次

バックアップ環境

TeraStationを2台で運用。外付けにRaid1のUSBハードディスクを接続。
メインサーバーとバックアップサーバーと分けていて、夜間にメインからバックアップに
NovaBackupを使って増分バックアップを6年間ずっと取り続けていました。
また同じく夜間にメインサーバーからUSBハードディスクにフルバックアップを行っていました。

障害発生

突然メインのTeraStationが重たくなりファイル共有もストップ。
リモートデスクトップも繋がらなくなってしまい、強制シャットダウンを行いました。
メインのWindowsStorageServerのOSは立ちあがらず、Raidも崩壊という状態に陥りました。
肝心のUSBハードディスクも同じくIOエラー等でアクセスできずの状態になっていました。

復旧に向けて苦労した話

増分バックアップは前回バックアップから増えた分だけ、更新された分をバックアップという仕組みなので
定期的にフルバックアップを行っていないと、全てのバックアップメディアファイルが必要となります。
日曜日にフルバックアップ、月曜から土曜日まで増分バックアップだと、
全ての復元には、フルバックアップから必要なファイルだけを復元すれば元に戻りますので、
最大7つのファイルを復元すれば良しとなります。
今回の私の場合は6年前から増分バックアップだけをし続けていてバックアップメディアファイルは
1700個近くに及びます。
幸いにもバックアップ用のTeraStationには全てのメディアファイルが残っていたので、
これらを順番に復元すれば、削除したファイルも含めて全てのファイルが復元できます。

【Tips】NovaBackupでバックアップ方式を6年間増分で取っていて苦労した話

これらのメディアファイルをNovaBackupで手作業で全て復元していくにはかなりの労力です。
しかもNovaBackupにメディアファイルをカタログとして登録する作業も大変です。
大きいメディアは1GB超にもなり3時間ほど1つの復元に時間が掛かるものもありました。
とても手作業でできる作業では無かったので、何とか自動化できないものかと考えてみました。

NovaBackupのメディアの仕様

NovaBackupのバックアップメディアはNBDという拡張子のファイルになっています。
独自のファイル仕様のようで、Zipなどに変換しても中身を見たり解凍できません。
XMLファイルとバックアップしたファイルが連結しているような構造のようです。
増分の場合でも更新されたファイル全体そのものが、
それぞれバックアップしたメディアに含まれています。

NovaBackupの直接復元とは

NovaBackupにはGUIで、メディア毎に復元、バックアップ日時で復元と
ファイルを復元するのに2種類のモードがありますが、実は他にも直接復元というモードがあります。
上の2種類はGUIからファイルを見つけ出して復元したいファイルを探して復元が可能ですが、
直接復元ではちょっと様子が違います。
復元タブからインポートで取り込んだメディアファイルがいきなり復元されていく
という仕様になっています。
詳しくは下記公式ページをご参考ください。
NovaBackup Direct Recovery 手順説明ページ リンク先
ちなみに直接復元では同じフォルダ構造、ファイルには上書きは行わないので、
順々に復元する場合は新しいメディアから直接復元をする必要があります。

増分メディアの復元を自動化した話

上記の事が分かったので後は作業だけです。
大量のメディアファイルを一つずつ、日付が新しい方のメディアファイルから直接復元をしていきます。
直接復元モードにするには上の項目をご参考ください。
NovaBackupの復元タブの「インポート」で新しい方のメディアを順に読み込んだ瞬間に
指定したフォルダにどんどんと復元をしていきます。
復元が完了したメディアファイルは紛らわしいので別のフォルダに移動させます。
これを1700回超も繰り返す・・・という気の遠くなる話なんですが、
実は先日に紹介したMicrosoft公式ツール「Power Automate」自動化ツールで
上記の作業を全て自動化してみました。

【Tips】NovaBackupでバックアップ方式を6年間増分で取っていて苦労した話
【Tips】NovaBackupでバックアップ方式を6年間増分で取っていて苦労した話

Power AutomateでまずはLoopで全体の実行回数を設定しています。
順に内容を説明していきます。

1.NovaBackupで復元が完了した時に出る「正常」という文字をOCRで範囲指定して認識させる。
2.メディアファイル一覧フォルダを開いているエクスプローラを選択。
3.キー「END」「UP」「DOWN」を押して一番最新のメディアファイルを選択。
4.キー「CTRL+X」でファイルを切り取り
5.復元済みメディアファイル一覧フォルダを開いているエクスプローラを選択。
6.キー「CTRL+V」で一番最新のメディアファイルを移動させる。
7.NovaBackupウィンドウをアクティブにして「復元タブ」をクリックする。
8.インポートボタンをクリックする。
9.ファイル選択ダイアログが表示されるのでキー操作だけで最新メディアファイルを選択。
10.メディアファイル読み込みに少し時間が掛かるので2秒まつ。
11.エンターキーを押してインポート実行。
12.復元が始まり、正常に完了すると手順1に戻る

これで無限に最新のメディアをインポートして復元しつつ、完了したメディアファイルは
完了済みフォルダに移動させます。
インポートしたら完了済みフォルダに移動させていくので、
インポート前フォルダには常に一番最新のメディアファイルがインポート対象のファイルとなります。
ちなみにこの自動化でも1週間ほど復元に時間が掛かりました。笑
増分バックアップを全て展開していくので、消したファイルなども全て復元されてしまいます。

雑感

今回はTeraStationが突如崩壊、フルバックアップしていたUSBドライブもIOエラーで崩壊。
日々の不測の事態の為の、増分バックアップだけが残ってたという状態でした。
何とか増分バックアップから全体を復元できましたが、もうこんな作業は懲り懲りです。
1週間に一度、1か月に一度くらいの頻度でフルバックアップを行っていれば
もう少し楽だったと思います。
なかなかこういうケース、ビジネスシーンでバックアップを復元という記事や情報って
作業している人も記事にする余裕もないので、情報が少ないんですよね。
ご参考になればと思います。

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